デンソー

IoTを積極的に展開するグローバル戦略

デンソーは、自動車部品製造企業の国内最大手企業です。
自動車1台を製造するための部品は全部で3万点にもおよぶとされていますが、このうち自動車販売メーカーが自社で製作しているものはごくごくわずかです。

つまり自動車製造メーカーで行っている作業は部品の組み立てのみであり、そこに使用される部品の多くは別会社から仕入れているということになります。

その中でもデンソーが占めるシェアは非常に多く、売上高は4兆以上にもなる一大企業となっています。
自動車産業は戦後の日本経済を大きく成長させる業種でしたが、もともとは自動車メーカーは自社と独占契約を結ぶ部品メーカーを多く傘下においていました。

ですが1990年代後半より業界全体が不景気になったことにより、日産自動車が保有していた系列製造業の株式を手放したことにより、部品製造メーカーの流動化が置きました。

日本自動車部品製造メーカーといえば2014年のタカタのアメリカ合衆国での大規模リコールが記憶に新しいところですが、タカタ以外にも自動車部品大手は日本国内だけでなく海外の自動車製造事業に積極的に進出をしています。

デンソーはそうしたグローバル戦略にいち早く着手した企業であり、今でこそ当たり前に使われるようになった「IoT」という方法を戦略として初期から使用しています。

世界最高レベルの製品を提供することが最大の戦略

デンソーで実施しているIoT戦略は、世界各国にある製造工場をネットワークでつなぎ、地域ごとの需要を割り出し効率生産をしていくということです。

これは遠隔地にある工場をあたかも一つの工場であるかのように扱うことができる生産性向上に役立つ手法です。

具体的には、デンソーで製造している製品は自動車の「センサー」「メーター」「オルタネーター(発電機)」「ディーゼル噴射装置」といったものがありますが、それらの生産拠点は別々の国となっています。

そこで全ての工場をネットワークによって接続することにより生産性の向上を行い、ムダな部品が製造されないような体制をとっていけます。

もともとデンソーで製造されている製品は非常に品質が高いということが評価されており、世界各国でデンソーの製品を適切な供給量で製造できるようにすることで機会逸失のない営業を展開していけます。

長年に渡り世界最高品質で製品を提供してきたデンソーだからできる方法とも言えますが、生産性を向上するとともに技術の向上もまた企業として取り組んでいるところです。

自動車業界は今確変機を迎えており、新たな技術も次々と登場してきています。
そうした時代のニーズに素早く対応できる社内体制を整えているということこそがデンソーの最大の強みと言えます。