資生堂

調剤薬局として創業された時代とともに変化する企業

資生堂は現在化粧品・サニタリー業界の国内シェア第2位の有名企業です。
第1位の花王は化粧品部門の他に衛生関連商品を手がけていることから、純粋な化粧品業界での売上で見れば資生堂はトップシェアを誇る企業といえるでしょう。

国内にある化粧品・サニタリー関連の企業としては、コーセーやポーラ・オルビスグループ、ノエビアホールディングス、マンダムといったようなものが代表的です。

その中にあって資生堂は一際高級感のあるブランドとして確立しており、一説では女性芸能人・モデルにとっては資生堂の化粧品モデルになるということが一つのステータスになるとまで言われています。

資生堂の化粧品ブランドはそのものズバリ「SHISEIDO」で、現在まで世界88カ国に展開しています。
創業は1872年のことなので既に145年以上が経過している老舗企業であり、創業以来常にトップモデルを広告に採用してきたということも特徴的です。

過去のSHISEIDOモデルとして抜擢された女優・モデルさんはそうそうたるメンバーで、特に1990年代からはその時期その次代に最も美しいといわれていた芸能人を幅広く採用しているところに特徴があります。

これは資生堂が日本トップブランドとしての位置を示すもので、最も美しくなるための製品を提供しているというメッセージを明確に伝えるものです。

資生堂はもともと東京・銀座に創業した日本初の洋風調剤薬局でした。
最初のヒット商品となったのは創業者福原有信の名前を冠した「福原衛生歯磨石鹸」で、のちの1897年に初の化粧品である「オイデルミン」という効能化粧水を販売します。

その後もしばらくは薬剤と衛生用品をメインに営業しつつも、人気の高い化粧品を開発したり、資生堂アイスパーラーを開店したりと幅広く業務範囲を広げています。

女性を積極的に登用するという戦略

近年の資生堂の経営戦略で特に目立った動きとして挙げられるのが「女性が活躍する会社」として連続第1位を獲得しているということです。

資生堂が女性が働きやすい環境づくりを2014年から続けており、育児短時間勤務が可能な美容職(ビューティーコンサルタント)などは今後の女性活用のビジネスモデルとして多くの企業から参考にされています。

ただしそうした既婚子育て中の女性に対する優遇は他のスタッフにしわ寄せを与えることにもなり、導入当初はかなり困惑することが多かったといいます。

しかしそうした現場の混乱にもめげずに積極的に当初の目標を設定し続けたところに資生堂という企業の経営姿勢が見られます。

女性に夢を与える化粧品メーカーであるからこそ、女性が夢をもって働くことができる環境を提供しているのだと言えます。