5歳からマッチを売っていたという北欧の家具王
イングヴァル・カンプラードは、日本でも大人気に家具メーカー「IKEA」の創業者です。
現在IKEAは世界中に出店をするグローバル企業として高い知名度を得ており、2011年の総売上高は250億ユーロ、総従業員数は10万人を超えています。
なお「IKEA」という店名は「Ingvar Kamprad, Elmtaryd, Agunnaryd」という言葉の頭文字を組み合わせたもので、イングヴァル・カンプラードがかつて育った農場の名前の「Elmataryd」と、出身地であるスゥエーデン南部地方にある都市「Agunnaryd」を使っています。
創業者の生い立ちがそのまま社名になっているということからもわかるように、IKEAはグローバルな業務展開の反面、非常に閉鎖的な経営方針を取っているところに特徴があります。
IKEAは世界中のどの市場にも株式を公開しておらず非上場経営を貫いています。
一見上場をすることで多くの投資が集まるので事業拡大に役立つようですが、経営権を限定させることがIKEAらしい営業をすることができているとイングヴァル・カンプラードは発言しています。
個人資産は4兆円を超えるとされるイングヴァル・カンプラードですが、子供時代は貧しい生活をしていたようで5歳からマッチを売って生活していたというエピソードはあまりに有名です。
成績のご褒美で貰ったお小遣いを元手に17歳で創業
イングヴァル・カンプラードがIKEAを最初に立ち上げたのは17歳のことです。
特徴的なのが、そのきっかけが学校の成績に対してのご褒美として親からもらったお小遣いをそのまま創業資金にあてたという点です。
社名は当時から「IKEA」で、安値で販売するというところにこだわり、注文を電話や郵便で受け付けてそれを牛乳搬送用のトラックを使って配達するというスタイルをとっていました。
最初は文具や財布、ペン立てといった家庭用雑貨をメインにしていましたが、地元に安く家具を仕入れることができる業者を見つけてから家具販売をメインにし始めます。
1951年には専門のカタログを発行して、それを見て注文を受け付ける現在のスタイルに近いビジネスモデルを確立します。
さらに地元にいた競合他社との差別化のため、IKEAショールームという実際に製品を見て選べるお店をオープンさせるということを1953年から開始しています。
イングヴァル・カンプラードはIKEAの販売戦略についてとにかく価格を下げることを徹底していると何度も発言しています。
現在は実質的なビジネスの現場は引退してはいますが、今もIKEAの広告塔として多くの場所に登場をしています。